アマゾン野生種カカオのワークショップに参加してみましたよ。

焙煎前のカカオ。発酵の香りがぷんぷん。酸味がある、生々しい感じ。
焙煎後。見た目あまり変わらないけど香りが全然違う。香ばしい。
手でひとつひとつカカオの皮を剥きます。彼らは浅煎りのカカオを担当。浅煎りの皮を剥くのはちょっと大変。
皮は薄く、深煎りしたカカオは案外スルッと向けます。中央の黒い豆状のものが皮を剥いたカカオ。
皮を剥いたカカオを機械で磨砕します。上の写真の黒い豆が粉状になり、さらにペースト状に変わっていく。これはよめっこさんという名前の米粉用の機械。よく働きます。
型に入れ、冷蔵庫でしばらく冷やします。
完成。左上から時計回りにカカオ70%浅煎り、80%浅煎り、90%浅煎り、90%深煎り、80%深煎り、70%深煎り。パッと見た目は違いがよくわからないと思います。が、味が全然違う。焙煎度合いや砂糖の量が違うだけでこんなに違うなんて!と驚きです。

以前から大変に興味のあったカカオから作るチョコレート作り。発酵が終わった後の生のカカオを焙煎するところからスタートする本格的なワークショップ。初めて体験してチョコレートについてあらためて考えるいい機会となりました。

今回カカオ以外に入れたものは砂糖だけのかなりピュアなチョコレート。試食してみて、チョコレートが昔は薬、特に疲労回復、滋養強壮などとして用いられていた理由がとてもよくわかりました。とにかく刺激が強いんですよね、深煎りの90%なんて目が覚めるほどでした。市販のチョコレートではなかなか感じることが少ないかもしれません。

と、同時にワインのようなフレーバーの違いというか、あるものはフルーティーだったり、スモーキーだったり、きなこや餡子のような和菓子のような味わいだったり。その奥深さ、美味しさには目を見張りました。素材があって、シンプルな材料だけで、それをどこまで加熱するかとか練るかとかで味の違いを追求をする世界ってたまらない魅力を感じます。とても楽しかった。

さらには一粒一粒の味が濃厚で、とても味わい深いのでたくさん食べなくても十分に満足できます。こんなに美味しいチョコレートならたくさんは必要ない、適正な量で満足できれば体にもいいし、ひいては環境問題の解決にもつながるのではないかと思いました。

今回のワークショップではアマゾンの文化や環境についても学びまして。短い時間にかなりいろんな情報を詰め込んだのですが、

  • ブラジルには歴史的に多くの国から移民が来ている。アマゾンにもたくさんの人種が入り混じっている。
  • 開発していいとされている地域とそうでない地域は航空写真を見るとはっきりとわかるくらい徹底的に開発されている現状。
  • 人がいなくなるとすぐに大豆畑にされてしまう。
  • お金を稼ぐために違法な採菌業を行う人たちがいる。採菌の過程で水銀を使うことも大きな問題。
  • 気候変動により家が水没しているところもある。

などなど。リストアップするだけでため息が出そうなほど問題がてんこ盛りなのですが、とりあえず一人でも多くの方に関心を持ってもらうことが大切かなと。

せっかくなのでアマゾン・カカオをちょっとでも味わってもらいたいなと思いまして、会場で販売していたロー・カカオニブを購入しました。近いうちにそれを使ったパンをお披露目できればいいなと思います。どうぞお楽しみに。