おすすめ映画のご案内「急に具合が悪くなる」

主演のお二人がカンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したことで話題になった作品です。なんとなく漠然とした知識しかないまま、とにかく一度観てみたいと思って映画館に足を運びました。そして、とても、かなり、よかったのでぜひ皆さまにもおすすめしたいと思った次第です。

内容としては、パリ郊外の介護施設「自由の庭」でディレクターをしているマリー・ルーと、舞台演出家でステージⅣのがん患者である真理の交流を軸に物語が展開していくのですが、認知症患者を抱える施設が舞台で、主人公のひとりが治療のしようがないがん患者という設定でありながら悲惨さはなく、希望に満ちた、いや、希望しかない映画だと私は思いました。

認知症患者の時間感覚は一本の線ではなく、点線だということ、医療や介護の現場において、ケアを受ける人を「対象」ではなく、感情や意思をもつひとりの「人間」として捉えるケアの哲学・技法「ユマニチュード」の存在をこの映画で初めて知りました。

また、真理の淡々と生きる姿勢、ある種の潔さとか、介護の現場で実際に触れあうことの意義とか、「音」の効果とか、問題の解決手段はお金だけでないとか、参考になりそうなことはいくつもあります。

とてもきれいな映画です。 3時間16分という長い映画ではありますが、長さは全く感じませんでした。何作か濱口監督の映画は観たことありますが、今回の映画はより洗練され、自然でまるでドキュメンタリーのようでもありました。

フォーラム仙台で9月3日までの上映です。7月17日から上映されていたので実はかなりロングランだったのですが、私も最近ようやく観たのでご紹介がギリギリで申し訳ないです。もしご都合よければぜひ観に行ってみてください。私ももう一回観にいこうと思っています。原作も読みたい。

フォーラム仙台のサイト→ https://forum-movie.net/sendai/movie/7280